
こんにちは。マイナースポーツ部です。
今回は、フィンスイミング日本代表選手である
関野義秀さんにマイナースポーツ部が独占インタビューしました。
約10年間に渡り、日本のフィンスイミング界の中心人物として活躍してきた彼だからこそ分かる
フィンスイミングの真実や関野選手のバックグラウンドについて語っていただきました。
(※ナレーター/インタビュアー:竹本タクシー)
関野選手インタビューダイジェスト動画はこちら
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Q.そもそもフィンスイミングとはどんな競技ですか?
足ヒレを付けてプールやオープンウォーターを泳いでそのタイムを競う競技です。
フィンを足につけて泳いでいくので、凄いスピードが出るんですよね。
これ「水中最速競技」なんて言われてるんですけど
普通の水泳のクロール50M が大体世界記録は21秒ぐらい。
それに比べてフィンを履くと13秒台でいけちゃいます。
※ちなみにこちらの記事でも解説しています!
Q.関野選手がフィンスイミングを始めたきっかけは何ですか?
元々2歳のころから水泳を始めて
高校三年生の時に水泳の授業の中でフィン(足ひれ)を使って練習する機会があったんです。
その時に、フィンを付けて泳ぐと
それまでにタイムでは敵わなかったチームの先輩選手にもタイムで勝てるようになり
なんとなくコツが掴めたんですよね。
そのタイミングでコーチから
「お前、フィンスイミングの大会あるんだけど出てみたら?」
と言われたことがフィンスイミングを始めるきっかけとなりました。
Q.フィンスイミングで苦労することはありますか?
まずは一番最初に直面したのは
僕がフィンスイミングを始めた頃はほぼ指導者がいなかったんです。
もちろん競技者自体少ないので仕方ないのですが…。
日本代表になるメンバーも国際大会に行ってその時に動画を撮ってきてそれを持ち帰ってきたのちょっと共有して
世界のトップの選手はこういう泳ぎだって
いろんなシーンをスローで何回も何回も見直してました。
みんなであーでもないこーでもないながら練習をして作り上げるっていう作業がずっとありましたね。笑
実はこのフィンは、ウクライナ製なんです。
なぜかフィンはウクライナ製が多くて。
だから毎回輸入して取り寄せてるんです。
今は Facebookで連絡を取って長い付き合いになったのでスムーズに出来るようになりましたけど
当時は送金とか、めちゃくちゃ大変で関税もかかるし、とにかく運ぶのが大変でした…。
あと、フィンスイミングはどのプールでも出来る訳ではないんです。
フィンの先端は比較的鋭利になっていて慣れていない人に怪我をさせる恐れがあるし
泳いだ時スピードが出るので、波も大きく出やすく、やっぱり周りの人に影響を与えやすい。
都内でフィンスイミングを出来るプールは、片手で数えるくらいしか無く
メディアでせっかく認知度が高まって、体験希望者が増えていたにも関わらず
こちらのハード面で体験をさせてあげられないのは申し訳ない思いです…。
実は韓国へ1人武者修行をした過去も…
韓国ってフィンスイミングのレベルが世界的に高いんです。
旧友に連絡をして、韓国でトレーニングしたいと言ったら
快く引き受けてくれて、一人で韓国へ武者修行しに行ったことがあります。
韓国語も分からない状態で飛び込んだのでとても苦労しました…
当時はまだガラケーしかなかったし。
韓国の選手は予想通りレベルが高く、男子のタイムには全く歯が立たなくて
女子のタイムにようやく付いていけるようなレベルでした。
パワー系の練習でもかろうじて勝つか負けるかみたいなくらいレベルが高くて
筋トレも全然違くて初めて肉離れしました。笑
でもこの経験のおかげで、世界のレベルを体感できて
それを日本に持ち帰ることができました。
Q.どんな人にフィンスイミングをやってもらいたいですか?
本当は全員にやってもらいたいくらい。
もっと言えば、義務教育にも取り上げてほしいくらい。笑
僕の知り合いに、泳げない人がいて
その人はシャワーを顔に浴びるのも恐怖感を覚えるくらい苦手らしいんです。
泳げない人って割とたくさんいますけど、そんな人にビーフィン(足の左右それぞれに付けるひれ)を付けると
案外、泳げたりする人が多いんです。
だから、フィンスイミングは泳げない人や水が怖い人にも気軽にチャレンジしてほしいなって思います。
それ以外では、やっぱり競泳経験者ですね。
フィンスイミング界にも競泳経験者はたくさんいますし。
たくさんの競泳経験者に体験してもらいたいですね。
ただ、現役フィンスイマーとして負けられませんが。笑
Q.関野選手が語る「歯車理論」とは?
僕も昔の会社では、パソコンでデスクワークを中心にやってて
当時はとても仕事に追われてて、フィンを練習する時間がなかなか取れなかったんです。
仕事が終わった後に、急いでプールに行って、他のみんながダウンをしている中で
たった30分だけピンポイントで、「今日はこのポイントだけ!」って感じでトレーニングをして
終電で帰る、なんてことをしてました。
また、ある日は
仕事で初売りの応援に行く機会があって、そこで朝開店と同時にお客さんに向かって
「いらっしゃいませ!」と一日中挨拶をしなければいけなかったんです。
挨拶をしている最中でも何かトレーニングできないかな、と考えて
背筋の動きを意識してお辞儀をすることで仕事中にも関わらずフィンスイミングで使う筋力トレーニングが実現できたんです。
僕は、これを「歯車理論」って呼んでいて
仕事やトレーニングなど、一つひとつの歯車が忙しく回れば回るほど、他の歯車もつられて回転速度が上がる、っていう考え方です。
結構仕事が忙しくて練習ができなかったりもしたんですけど
実はその時の方が、凄いパフォーマンスが出来たりします。笑
関野選手のインスタグラム
https://www.instagram.com/yoshi9fin/